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久世福の心意気

東に脂がのった鰯があると聞けば赴き、
西に甘い塩があると聞けば赴き、
南に香りの高い焼酎があると聞けば赴き、
北に旨い昆布があると聞けば赴き、
時に逸品ありの声を聞けば海をも渡り、
そうして久世福商店のオリジナル商品たちは生まれました。

辺境に位置しながら、自然を愛する
誇り高い生産者との出会いによって誕生しました。
単に商品の魅力だけでなく、
生産者の人柄にまで惚れ込んだ一品は
プロ仕様でありながらお求め易いパッケージに仕上げています。
生産者と語り合うことで思いもよらない商品が出来上がりました。

世の中に溢れたプライベートブランド商品は
行き過ぎた低価格志向が目立っている気がします。
久世福商店は、お客様に生産者の理念まで伝えることで
適正な価格で販売させていただき、
お客様、生産者様、そして世間様の三方にとって
有益な商いを理想に掲げております。

 

商いの原点

久世福商店の起源は久世福松という商人から始まります。
大正初期、千葉県銚子の呉服問屋で生まれ育った福松は、
父親が人のために借金を背負うこととなり、家族で逃げるように上京、
貧しい生活を余儀なくされました。

貧しい生活の中で、若くして一家の大黒柱となった福松は、
幼い弟たちを養うため、昭和9年、東池袋で久世商店を創業。
母親が老舗の醤油蔵の一人娘であったことも力となり、
当時の先駆者としてソース、ケチャップなど、洋調味料を製造、販売し、
後に総合食材問屋として発展を遂げます。

昭和25年、福松の三男として久世良三が誕生しました。
良三は大手スーパーの勤務やペンション経営などを経て、
現在の本社、信州飯綱町にサンクゼールを創業しました。

久世福商店の商いの原点。
それは困難な時代に活路を見出して創業した久世商店。
自転車とリヤカーを使って、自らが汗水流して働く、
福松の商道徳によるものです。

世界をめざして

“ザ・ジャパニーズ・グルメストア”をコンセプトに、
“うまいもの”を集めました。
千年の歴史を持つ糀を使用した本物の発酵醸造食品を軸に、
海外市場をめざして和食文化を発信しています。
日本各地の地元で愛される誇り高き生産者の皆さんと一緒に開発した、
だし・調味料・冷凍食品・お菓子などを取り揃えています。

大正ロマン

大正時代は久世福商店のもう一つのコンセプトです。
当時の工業製品・食品は、海外輸出を前提にデザインされており、
“MADE IN JAPAN”と示された大正時代のラベルは、
今も古びることはありません。
大正時代の店蔵を模した店内には、久世福商店の目利きバイヤーが
全国を巡って一目惚れした商品が所狭しと並び、
その商品を使った試食提供を行うキッチンカウンターでは、
ライブ感溢れる久世福流の商品説明が魅力を高めます。

久世福のこだわり

久世福のバイヤーとして日本全国を駆け巡る中、
日本には「だし」や「発酵食品」に代表される
「旨み」という世界に誇れる独特な食文化があり、
その奥深さを知れば知るほど、「旨み」を究極まで追求した
本当に美味しいだしを作りたい…と思うようになりました。

実際に私たちが足を運んで見つけた原料は、
どれも希少なものばかり。そうしてできあがったのは、
久世福が自信を持っておすすめする「風味豊かな 万能だし」、
「贅沢の極み」などのラインナップです。
江戸時代、関西の昆布だしと関東の鰹だしを合わせただしで
庶民をうならせたように、原点に戻って高品質で本物の素材に
こだわった“だし”に仕上げました。

こだわり商品クリックバナー
麹の画像

善光寺門前「三原屋」の味噌・醤油

信州は全国でも屈指の醸造王国。久世福商店善光寺大門本店の周辺には、江戸時代から続く、酒蔵、味噌醤油蔵が軒を連ねています。
善光寺門前にて170年続く味噌醤油蔵「三原屋」さんで、信州の醸造技術を支える糀についてお話をお聞きしました。

糀づくりは味噌づくりの基本

三原屋六代目当主、河原清隆社長は「原料の良さを引き出せるかどうか、それが糀の技術」と、自分たちで糀を仕込み続ける理由を話してくれました。創業嘉永元年の三原屋さんは当時、米問屋を生業としており、かたわらで「糀」づくりも行っていました。時代の流れとともに米の商から、味噌醤油蔵へ転換を図り長年培われた糀づくりの技術をもとに発展していきました。

糀はお米から生まれます

蒸したお米を冷却し、こうじ菌を種付けして、手入れをすること約44時間。米粒の表面は白い菌糸に覆われます。やがて、お米の中心に向かってこうじ菌の菌糸が食い込んでいきます、これを「破精込み(はぜこみ)」といいます。これで糀の完成です。
出来上がった糀の香りはとてもフルーティーで、甘酸っぱい香りに包まれます。こうじ菌の力で消化酵素をたっぷり含んだ「糀」からは、清酒、味噌、醤油、みりん、黒酢、甘酒などが作られます。
本物の発酵食品に宿る微生物が織りなす生命力=躍動、それこそが本能的に美味しいと感じる理由でしょうか。

近年では、酵素を含む発酵食品には、もとの食品を食べるよりもたくさんの栄養を吸収できたり、食材の旨みを高める効果があったり、胃腸の消化吸収を助けるはたらきがあると言われています。そのような科学的な事実が知られるようになる前から、私たちは発酵食品に親しんできたのです。

糀職人に大切な要素

インタビューの最後に河原社長は、糀職人に大切な要素について「経験に裏打ちされた感性」と教えてくれました。例えば、香りの豊かさは、その発酵食品が本物かどうかを見極める大切なポイントで、意外性のない単調な風味では人はすぐに飽きてしまいますが、感性の良い作り手は、心地よいゆらぎの範囲で本能的にしっくりと合う糀を生み出すことができるということでした。

三原屋さんのお醤油を食べた瞬間に感じる芳醇な香りと奥深い味わいは、まさに高い技術と感性をもった職人が生み出した技の結晶だと感じました。

しょうゆ豆こうじ 商品画像

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